2009年9月 8日 (火)

戦下のレシピ

<>
戦下のレシピ―太平洋戦争下の食を知る (岩波アクティブ新書)

著者:斎藤 美奈子

戦下のレシピ―太平洋戦争下の食を知る (岩波アクティブ新書)

戦前、戦中、戦後、どんな風に
食生活が変わっていったか書かれているのが
興味深い。

興亜パンに胡桃ビーフ、ぬか入りビスケット。

全部美味しそうなレシピに見えてしまう自分が
申し訳ないような気がする。

でも読後、
白米にあくまでもこだわっていた父の気持ちに
なんとなく近づけたように思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年8月 6日 (木)

絵で読む 広島の原爆

絵で読む 広島の原爆

著者:那須 正幹

絵で読む 広島の原爆 (かがくのほん)

英語版 絵で読む広島の原爆

著者:那須 正幹

英語版 絵で読む広島の原爆

ある先生に教えてもらった
広島の原爆の絵本。

原爆のことについてだけでなく

その日以前の美しいの広島の生活や風景、

その後、よみがえってゆき、今へとつながる広島が

柔らかく細かく美しい絵で描かれています。

深く知るということなしには
なにも語ることはできない、という思いが
いったりきたり。

その気持ちを助けてくれる絵本です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年8月 5日 (水)

「逝しき世の面影」

今、秋に出版する予定の
新刊2冊の原稿を執筆しています。

その流れで
たくさんの資料や本を読んでいますが

その中から

おすすめの本を一冊。

<>

<>

<>

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

著者:渡辺 京二

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

明治時代以前、江戸の文明を
当時来日していた様々な外国人の記録を
調べまとめられた本です。

「ーーー子供へのこんなやさしさ、両親と老人に対するこのような尊重、洗練された趣味と
習慣のかくのごとき普及、異邦人に対するかくも丁寧な態度、自分も楽しみひとも楽しませようとする上での
このような熱心ーーーこの国以外のどこにこのようなものが存在するというのか。」

「私にとって重要なのは在りし日のこの国の文明が、
人間の生存をできるうる限り気持ちのよいものにしようとする合意と
それにもとづく工夫によって成り立っていたとう事実だ
」  逝しき世の面影 本文より

外国人の記述や著者のことばですが
今まで読んだ
江戸の頃の人達の生活の本とはまた
違う本で興味深く読ませていただきました。

素晴らしい面だけでなく、さまざまな角度から
書かれているのがいいです。

消えてしまったかのようなこの時代の文明や日本人像を
懐かしく、愛おしく感じるのは
小さなろうそくの火のように
私達の中に今も生きているからなのだろう、と思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年1月19日 (月)

マッコウの海

マッコウの海・小笠原

『マッコウの海』 宇津 孝
山と渓谷社

小笠原で暮らしていた著者が撮影した
生き物の写真集。
特にマッコウクジラの写真は圧巻。

今は亡き著者は、夫と私の学生時代からの
古い友人。

何をしても成功の道へすぐたどりついてしまう
明るくて面倒見のよい
才能あふれる先輩、大切な友人でした。

大学はちがったけれど
学校をでた後も
長い年月、似た様な道へと歩んできたことで
なくてはならない存在となっていきました。

たくさんある彼との思い出の中でも
印象深いのは、やはり小笠原でのこと。

ある晴天の早朝、撮影のために彼の小さなボートで私たちは
父島を立ち、聟島、別名ケータ島へと出発しました。

この海域の色はどこまでも群青色。
すべてを吸い込んでしまいそうな雰囲気を放ち
のみこまれてしまえば、遥か遠くの国まで届く
海流が流れています。

天気はおだやかで海も比較的静かでしたが
帰る途中で少しづつ風が吹いてきました。

外洋の海は静かな時でもダイナミックに動いている。
少しでも風がふけば海の様子は一変します。

あともう少しで父島がみえるはず、という地点に着いたとき、
そこに立っている白波を見て足がすくみました。

こんな波の中をきりぬけて帰ることができる人がいるのだろうか・・・!
そうとしか思えない波がはるか先まで続いていたのです。

私がその時やったことといえば、なさけなくへなへなと座りこんで
この中で生き残れないのは間違いなく私だな、と確信したこと。

乗っていたメンバーは4人。
夫と宇津さん、そして助手で後にイルカ青年と名がついた加藤君。
私以外のメンバーはみんな海のプロともいえる人達だったから
ボートから投げ出されてもみんな荒波を超えていける可能性がある、
そうとっさに思っていました。

でも私はもうジタバタとしてもどうにもならないな、と覚悟を決めて
操船していた宇津さんをやっとの思いで見上げると
ボートを必死に操っていました。

よくみると彼の表情には恐れはなく、
まるで難しいゲームをこなしていく人のように
楽しみ、挑んでいる、そんな顔をしています。

そのとたんにふうっと湧いてきたのが
天性の明るさと運の強さ、そして才能を持ち合わせた彼という存在と
「死」という暗闇があまりにも似つかわしくない、ということでした。

ここで死ぬわけがない、彼のような人間を神様が早々と死なせるわけが
ないじゃない、という妙な考えが頭に浮かんで、
そのおかげで船がひっくりかえるような揺れと振動の中をすすんでも
私は落ち着いていられるようになったのです。

私がやるべきことはたったひとつ。
船から投げ出されないように必死にしがみついていることだけだった
ことをおぼえています。

何とか無事に陸にたどりついたときには
誰一人として軽い口を聞く体力は残っていませんでした。
まるで今まで私たちが経験してきたことなどなかったかのように
いつもと変わりない父島の風景がそこにはひろがっていました。

その時、死から一番遠くにいると思った彼が
こんなに早く、私たちの世界からいなくなってしまうなど
想像だにしませんでした。

でも彼はもういない。

生きていればもっといろいろな話ができたのに、
いろいろなことを一緒にやりたかったのにという
思いは消えることがありません。

彼の命日が来るたびに
次の世代にとって大きな財産をなくしてしまったよ、とつぶやいてしまいますが
年月が立つうち
強い悲しみをもてあました私は
かたちを変えてそのエネルギーを使わせてもらうしかない、
いつしかそう思うようになっていきました。

今生ではもう会えないけれど、忘れない。
これが、大切な時間をたくさんくれた友人へ、私からできる精一杯の贈り物。

                『湘南ちゃぶ台ライフ』より 広田千悦子著

<>

<>

<>

湘南ちゃぶ台ライフ

著者:広田 行正,広田 千悦子

湘南ちゃぶ台ライフ

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年1月17日 (土)

旅をする木

旅をする木 (文春文庫)

「旅をする木」
星野道夫

読みやすいけれど
すっと奥深くまで、そして長く心に響く
星野さんの文章でつづられている
エッセイ集33篇。

若い頃、星野さんの講演会に出かけたことがありました。
圧倒されるような写真とともに印象にのこったのは
星野さんの静かで謙虚な語り口でした。

その後、星野さんの著書を読むようになりましたが
この本が一番好きです。

本の中で出てくることばには
何度も助けられてきたように思いますが
中でも忘れられないのはこのフレーズ。

Tが死ななくとも、ぼくはおそらくアラスカに行っただろう。
しかしこれほど強い思いで対象に関われただろうか。自分だけではない。
それは彼をとりまく幾人かの人生を大きく変えていった。
かけがえのないものの死は、多くの場合、残された者にあるパワーを与えてゆく。
                           星野道夫 「旅をする木」より

大切な友人が亡くなって、打ちのめされていた時、
ものすごくこころに響いてきた文章でした。

こころがゆらぎそうになるときも
この文章を読むと
背筋がのびてくるような気もちになります。

私のエネルギーの源はなんですか?
と昨日聞かれたので考えてみました。

微々たるエネルギーしかもってないので
亡くなった友人には申し訳ない気もしますが・・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)